走りながら形にした信頼
脱レガシーとGo To対応が導いた“変化に強い基幹システム”の舞台裏

千田 友也 氏 (写真右)
株式会社はとバス
経営本部 経営戦略部 情報システム課 課長
稲田 浩司 (写真左)
株式会社DTS
法人ソリューション事業本部
インダストリーソリューション事業部・第三担当課長

—まず、今回の基幹システム刷新を決断された背景から教えてください

千田氏:長年、AS/400で予約システムを運用してきました。安定はしていましたが、消費税率変更などの法改正対応や、新しいサービスをすばやく形にするという点では、正直限界を感じていました。さらに2010年代に入ると、AS/400を扱えるエンジニアが急速に減っていき、「この人がいなくなったらどうするんだろう」という、事業継続そのものへの不安も現実味を帯びてきました。


—単なる老朽化ではなく、「経営リスク」だったわけですね

千田氏:まさにそうです。インバウンド需要の高まりや、東京オリンピックを見据えた新しい観光コースを企画したくても、多言語対応や外部サービス連携が難しく、システムが足かせになっていました。そこで「延命ではなく、オープンで柔軟なクラウド基盤に刷新しよう」と、経営判断として舵を切りました。

今回の刷新は業務そのものを見直すプロジェクト

—パートナー選定で、DTSを選ばれた決め手は何だったのでしょうか

千田氏:今回の刷新は、単なるシステム更新ではなく、「業務そのものを見直すプロジェクト」でした。ですから重視したのは、開発力だけではありません。

  • 業務を深く理解していること
  • 法改正や需要変化に柔軟に対応できる構成を描けること
  • 属人化から脱却し、継続的に改善できること
この3点です。


稲田:私たちは、過去の予約管理基盤再構築やWeb改修の支援を通じて、はとバスさんの業務や運用の癖、課題をかなり把握していました。その上で、「脱レガシーを実現するアプリケーション再構築」「将来拡張を見越したAzure基盤」「導入後も現場を知る人間が支える体制」をセットで提案しました。


—実際の刷新プロジェクトは、かなり大規模だったのでは?

千田氏:30年以上使ってきた基幹システムですから、簡単ではありませんでした。基幹予約システムからW e b 予約、インフラ全体をAzureへ移行する大きなプロジェクトです。
経営層・現場・情報システム部門が参加する「ステアリングコミッティ」を設け、少数精鋭で、毎日のように議論と検証を重ねました。


稲田:「全員が同じ目的を持たなければ、この規模の刷新は成功しない」という点は、最初に強くお伝えしました。


—そして稼働後、コロナ禍とGo Toトラベル対応が訪れます

千田氏:正直、まったく想定していませんでした(笑)。制度要件が次々と変わり、そのたびにシステム改修が必要になる。もしAS/400のままだったら、「システムが対応できないので、業務を止める」という選択肢しかなかったと思います。


稲田:クラウド基盤だったからこそ、運用を止めずに、短期間で改修と反映ができました。Go Toトラベルは、割引計算、申請データ作成、運用フローまで含めて“Go To専用の仕組み”を走りながら作る必要がありましたね。

全員が同じ目的を持たなければ刷新は成功しない
顧客体験そのものが変わったと感じています

—まさに「変化に即応する力」が試された場面ですね

千田氏:はい。制度変更があるたびに「また変わった」と(笑)。それでもDTSさんが常駐で一緒に考えてくれたことで、現場は何とか踏みとどまれました。結果として、「クラウド移行していなければ事業継続は難しかった」と感じています。


—その後、ビジネス面でも大きな変化が出ていますね

稲田:Web予約が電話予約を逆転し、今では「電話3:Web7」。会員数も約2万人から約18万人へと9倍に増えました。スマートフォン対応、リアルタイム空席表示、メルマガやバースデークーポンなど、顧客体験そのものが変わったと感じています。


—最後に、今後の展望を教えてください

千田氏:今後は予約システムに限らず、他の業務領域でもクラウド化を進めていきます。
データやAIを活用し、「勘」ではなく「事実」に基づいて観光体験を設計できる会社になりたい。


稲田:私たちは、これからも「変化に強い基盤」と「現場理解」を両立させるパートナーであり続けます。

株式会社はとバス

「おもてなしの心」で日本の魅力を世界に発信!東京観光のリーディングカンパニー

戦後まもない昭和23年(1948年)8月、「観光事業を通じて多くの日本の人々に夢を、外国の人々には平和な日本の真の姿を紹介したい」という理念のもとに創業。以来70余年、「おもてなしの心」を第一に、東京観光の代名詞ともいえる観光バス事業を中心に、ホテル、不動産、都営バスの運行受託に加え、レストランクルーズなど、はとバスグループとして幅広い事業を展開しています。東京観光のリーディングカンパニーとして、東京の魅力を、さらには日本の魅力を世界に発信することで、日本全体の観光に貢献する企業を目指しています。

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